「あの男を殺したのはわたしです。」 芥川龍之介「藪の中」より
芥川龍之介の短編小説「藪の中」にて登場人物の盗人はこのように語り始め、自分の犯した罪について証言します。しかし、同じ現場にいたはずの女は盗人とは全く違う内容の証言をします。さらにその現場を目撃していた違う人も、他のふたりと異なった証言をして、結論が出ずに物語は終わりを迎えます。
そしてそんな小説を基に作られたゲームが「藪の中」なんです。
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犯人は誰? あいつは何を見た?
使うものは人型の容疑者カード8枚とチップ数枚、容疑者のカードには2~8の数字が書かれていて、1枚は空白となっています。プレイヤーが得ることのできる情報はとても少なく、そんなあやふやな状況で場に置かれたカードの中で一番大きい数字(犯人)を推理します。
わかりそうでわからない犯人を当てるには自分だけの情報ではとても困難、ほかのプレイヤーの証言をヒントに推理すれば犯人が分かるかもしれません。しかし簡単に証言を信用すると手痛いことになりますよ。
5つのステップで殺人事件を解決しよう
それではとても簡単なルールを紹介します。
1 事件現場を作る
テーブルの真ん中に4枚の容疑者カードを裏のまま置き、余りの容疑者カードをプレイヤーに配って準備完了です。横になっているカードは死体として扱われ、見ることが一切できません。
2 アリバイ確認(数字確認)
配られたカードを確認した後、そのカードを隣のプレイヤーに渡して確認しましょう。これで隣の人に自分が見た数字が共有されました。この数字がアリバイとなり推理するのにとても重要な情報となります。
3 この人が犯人です!
第一発見者(スタートプレイヤー)から容疑者3枚の内、2枚を見て犯人を推理します。先ほど配られたカードの数字は何でしたか? 隣から回ってきたカードは? これだと思う容疑者にチップを置きましょう。ちなみに空白のカードは絶対犯人にはなりませんのでご注意を。
4 真相解明
全員がチップを置いたら、容疑者を裏返して犯人が分かります。一番大きい数字にチップを置いていて容疑者を当てることができていたならそのままチップを受け取り、間違えていたらペナルティとしてチップを裏返して受け取ります。数字の5が場に出ていたら要注意、立場が逆転して小さい数字が犯人になってしまいます。
5 判決
ここまでで裏返したチップが5枚になってしまったプレイヤーがいたら、ゲーム終了です。裏返ったチップが少ない人が勝利です。4枚以下なら第一発見者を次のプレイヤーに移し、もう一度事故現場をつくりましょう。
見たのはあの数字 はめたいのはアイツ
ここでさらに「藪の中」が面白くなるちょっとしたテクニックをご紹介しましょう。
スタートプレイヤーが容疑者を確認し犯人を推理してチップを置くと、次のプレイヤーは前の人がチップを置いた容疑者は確認することができません。それと推理したチップは重ねて置き、もし間違っていたら一番上にチップを置いた人がまとめて受け取ります。
これら利用すれば誰かをはめることだってできるんです。明らかに犯人ではない容疑者にチップを置いても次のプレイヤーはその容疑者を見ることができませんので、もしかしたら深読みして自分のチップの上に置いてくれるかもしれませんよ。
まとめ
簡単なルールですが、やりごたえは抜群で何回も遊びたくなる内容です。追加ルールでは死体のカードをどれか1枚と入れ替える現場操作マーカーが使えるようになります。犯人を間違えなくなったら、追加してみるのもいいでしょう。
以上が紹介となりますが、実際にプレイしてみたら私がここに書いたことと違う思いを持つ方もいるでしょう。けれど意見が食い違うのは仕方のないことなんです。
だってこれは「藪の中」なのですから。
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ゲーム名 | 藪の中 |
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作者 | オインクゲームズ |
メーカー | オインクゲームズ |
人数 | 3人 4人 |
時間 | 30分 |
年齢 | 9才から |
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